まっすぐな、わたしのせかいで

発達障害のわたしが生きている世界を綴ります。

まっすぐで規則的なものや、反復するものはこの世界で一番美しい

わたしは幼い頃から、まっすぐで、規則的なものや、繰り返すものに途方もなく惹かれ、こだわって生きてきました。

こんなこだわりは自分だけなんだろうなとずっと思っていたので、これが自閉症の典型的な特性と知った時はとても驚きました。

今でもこのこだわりは姿形を変えずわたしと生活を共にしています。
というより、わたしはこのこだわりがあるからこの世界で生きていけるのだとすら思います。

なぜなら、常に不安に晒されてる自閉症者が安心できるものというのはまっすぐで、規則的なものや、繰り返すものだからです。

そして、この世界で一番美しいと感じるのもまっすぐで、規則的なものや、繰り返すものたちです。

なのでわたしの身の回りのほとんど全てのものは、常にまっすぐ綺麗に揃えて置かれており、少しでも斜めになっていたら真っ直ぐに直さないと安心できません。

逆に言うと、曲線や、曲がったもの、不規則なもの、繰り返さないものというのはとても苦手で不安な気持ちになります。

まっすぐじゃないとどうしても嫌なのです。


自閉症の子が、色んなものを並べて遊ぶというのは知っている方もいるかもしれませんが、わたしも例に漏れずそうでした。

そしてわたしの場合はやはりまっすぐ、規則的にというのが重要なので、まっすぐに等間隔に揃えて並べていきます。
並べる順番の規則も色々変えて楽しみます。

例えばビー玉やおはじきを並べるのに、
青青青緑緑緑赤赤赤
と並べるのが一番のお気に入りだけど、

と並べるのもいいなぁ...といった具合に。

と、そんなところへ母がやってきて「この並べ方はなんていうか知ってる?」と、二つ目の方の並びを指差して聞いてきます。
わたしは全然知らなかったので答えを聞きました。

「互い違いっていうんだよ」

....というやり取りをしたのは、小学校1年生ごろ、いつかの土曜日の夕方祖母の家でのことです。
今でも、映像を見てるかのようにはっきりとよく覚えています。

これも自閉症の特徴のひとつですね...

そうしてその時を境にわたしの中の規則的シリーズのなかに「互い違い」というものが定着し、生活の中でも使っていくようになりました。


また、反復するものが好きというのも定型発達の子からすると、何が面白いのか不思議に思われるのかもしれませんが、わたしにとっては〇〇ごっこをするよりも魅力的に感じるのです。

例えば、電車の車輪や車のタイヤ。
電車の車体や車のボディよりも、わたしは車輪やタイヤに目が釘付けになり、ずっとずっと見ていたい気持ちになります。

そんな訳で、自分は女の子なのに我が家には機関車トーマストミカのおもちゃがありました。

機関車トーマスで遊ぶ時は、レールなどを繋げてトーマスなどをセットしてスイッチを入れたら、わたしは床にうつ伏せになって恍惚とした気持ちで何周も回るトーマスの車輪を眺めます。

ミニカーは父がくれたフォルクスワーゲンのものでした。

それはテーブルの上で走らせるのですが、不規則な動きはさせたくないので、テーブルの木目に沿って行ったり来たりさせながら、やはりタイヤの部分を眺めてはうっとりします。

幼い頃から、こうして一人で遊んでいても退屈するどころか、むしろ幸せな時間でした。

とにかく何にせよこだわりの強い子だったので、誰かと遊ぶと自分のペースで好きなようにできず、時にはこだわりをじっと堪えなければいけない時もあり、とてもストレスでした。


大人になった今、もうこうした遊びはしなくなりましたが、数独などのパズルゲームをしたりとまた違った遊びを楽しめるようになったかなと思います。

でも、プラレールは欲しいなと密かに思ってしまいます...


さて、昨日から5月になり、今日は初夏のような陽気です。

退院して1ヶ月半ほど経ちますが、ようやく自分のしたいことができるようになるまで回復してきたかなと思います。

でも、まだまだ悪い日もたくさんあるのでコツコツ生活を頑張ろうと思います。